曽於市末吉町深川地区に伝わります「熊野神社の鬼追い」(県指定無形民俗文化財)について、保存会会長の迫 杉雄様にお聞きすることができました。
 毎年正月七日の夜、深川の熊野神社で行われる鬼追い行事は、奇習として伝承されています。
 無数の御幣に身をまとった三匹の鬼(男鬼・女鬼・子鬼)が、樫棒を持った二人の付け(付添役)と組になって荒々しく鬼堂を飛び出し、石段を駆け下って凍りつく夕闇の中、一目散に光明寺仁王像の所に走り、御神酒をいただくや、観衆は鬼のなびかせる御幣をちぎろうと鬼に近づき、鬼は御幣を取らせまいと「鬼の手」と「付けの棒」で容赦なく打ち暴れる。御幣を取って帰ると一年間健康でいられると云われています。
 この夕闇の中で繰り広げられる異様な光景について民俗学的視点から注目されています。一つは、鬼追いはもとは光明寺の修正会(しゅしょうえ)に伴う仏教行事が光明寺廃寺後、熊野神社主宰となったと考えられます。二つは、本来は追われる鬼が、鬼追いの鬼は招福除災の性格を持つているということです。「熊野神社の鬼追い」は、新春を寿ぐ神の性質を残し、まさに鬼神であります。(熊野神社案内板を参考―曽於市教育委員会)
 今回は、お話をして頂きました、迫会長には 本当にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします。
(写真は「鬼追い」と熊野神社です…鬼追いの白いのが御幣です)
                       

扇寿堂
                      senjudou

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