今回は、南さつま市金峰町(鹿児島県)の高橋集落に伝わる「高橋十八度踊り」について保存会の桜木正信様にお聞きすることが出来ました。
 この踊りは、別名「よっかぶい」ともいわれ方言の「夜具かぶり」からきていると言われています。そして又「ガラッパ祭り」とも呼ばれています。
 踊りは、小二才(こにせ)又は小ガラッパという九歳〜十四歳までの地区の男子と二才(にせ)又は大ガラッパという十五歳〜二十五歳までの地区の青年で成ります。朝九時頃から玉手神社の夏の大祭が神官によって行われた後、九時三十分 シュロの皮をかぶった大ガラッパは三人一組となって打ち鳴らす鉦とともに集落内に繰り込んで行き隅々まで歩きまわり笹竹を振りながら「ひょうひょう」とガラッパの奇声を上げ子供たちを取り囲みカマスの中に押し込みます。恐怖で子供たちは泣き叫び逃げまどう姿が、祭りのムードを盛り上げていきます。そして十時に公民館で出庭の踊り(相撲踊り)が子ガラッパによって踊られます。
 この十八度踊りは、毎年八月二十二日に高橋集落の玉手神社に奉納する祭りです。昔は高橋と堀川の境を堀川(万之瀬川支流)が流れており「ひっちんどん」の神様がおられ、この神様は、地区の水難防止と五穀豊穣を願う地区民のたいせつな神様です。この祭りに会えば、一年中幸せに暮らせるという言い伝えがあります。
 この踊りも、だんだん人が減ってきていて、時間も短くなったり規模が小さくなってきているそうです。
 この度、貴重な資料を頂きました桜木様には、本当にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします。
(写真は小ガラッパに扮するところと玉手神社です)

扇寿堂
                      senjudou

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