霧島市国分下井(したい)集落に伝わります「下井どけ踊り」について、保存会の久徳 實様にお聞きすることが出来ました。
 「下井どけ踊り」は、昔は決まった日に乙宮神社に奉納していましたが、現在は乙宮神社には奉納されず、開催日も決まっていません。運動会や敬老会などに踊られています。尚、下井どけ踊りは、下井道化踊りとも書きます。
 どけ踊りは、下井に伝わる芸能で、始まりは定かではありませんが、その唄に小村新田などが歌われていますので百六十年ほども昔からだと思われます。戦時中から一時休止していましたが、昭和48年8月に当時の公民館長や下井小学校の校長先生の努力で復活しました。
 由来としては、下井は純農村で娯楽も無く収入は少なく新田開拓などの公役が多く、部落民は苦しみにさいなまれていたので村長老(むらおさ)等が話し合いで人心の荒れを救うべく、心のよりどころを歌に託し踊りを通じてお互いの苦労を慰めあい、部落民の心の和を求めて生まれたのがこの踊りと云われています。
 唄、踊りともテンポのゆるい、いかにも農民らしい素朴さですが、この踊りは誰にでも踊れる、何人でも出来、人数が多ければ多いほど輪を広め、次から次えと踊るうちに、お互いに親しみがわいてくるのが特徴です。
 踊りは、道楽・手拍子・(七節)踊りです。道具は、太鼓・鉦・三味線です。また、この踊りは隣の集落の広瀬でもおこなわれています。
 今回、お話して頂きました久徳さんには、本当にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします。
 (写真は「下井どけ踊り」と保存会の皆さんです。少しピンボケですみません)
                           

扇寿堂
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