先日、12日のブログで花尾神社に秋の大祭に奉納する「花尾の太鼓踊り」を紹介しましたが、もう一つ秋の大祭の日に花尾神社に奉納する踊りがあります。これは、鹿児島市郡山(旧郡山町)の岩戸集落に伝わる「岩戸ほうそう踊り」です。このお話を岩戸ほうそう踊りの保存会の末吉政甲様よりお伺いしました。
 言い伝えによりますと、「岩戸ほうそう踊り」は「花尾太鼓踊り」とともに藩政時代(三、四百年前)より踊り継がれています。当時は、天然痘という恐ろしい伝染病が流行し、多くの村人がなくなりました。幸い命を取りとめても、顔に傷跡が残る恐ろしい病気でした。この天然痘が流行しないように、自分たちの村に入ってこないように、また万一病気になっても早く治るようにと、神仏に祈りを捧げるため踊られたものと言われています。
医学の進歩とともに、天然病という恐ろしい病気も姿を消しましたが、踊りの方も自然と踊られなくなってしまったそうです。
終戦後、末吉清吉氏が発起人となってこの伝統ある岩戸ほうそう踊りを後世に末永く残すべく、私たちに伝授されました。
 踊りは先踊りと後踊りで構成されて、先踊りは『さっきょん』の二人が踊り子を先導し三味線に合わせて踊ります。後踊りは黒装束に身を包んだ大しべ持ち三人が先導し、歌と三味線に合わせて踊ります。女踊りで、優しさの中に真剣な祈りの心が込められた優雅な踊りです。
 現在は郡山の無形文化財として指定されており、花尾神社秋の大祭に奉納されるそうです。
 今回は、保存会の末吉様には詳しいお話をお聞かせ頂まして、ありがとうございました。また、お寄りしましたら宜しくお願いします。
下の写真は「岩戸ほうそう踊り」(画像が見にくくてすみません)と「花尾神社」です。
                       

扇寿堂
                      senjudou

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