南さつま市加世田小湊地区に伝わります「小湊中央太鼓踊り」について、保存会会長の小園富士男様にお聞きすることが出来ました。
 「小湊中央太鼓踊り」は、現在10月の第3日曜日の日に豊年を祝って八幡神社に奉納されています。(昔は10月15日が小湊寄木八幡神社の例祭でした。)また、学校・漁港・公民館など他様々な所で踊られています。
 「小湊中央太鼓踊り」の由来は、島津義弘公が朝鮮征伐の出陣の時士気を鼓舞する為に始まったとされ、中央集落伝承の太鼓踊りの起源は、隣の大浦町平原の踊りをそのまま持ってきたと云われ、踊りの内容もほとんど同じで、変化のある優雅な踊りです。
 小湊中央太鼓踊りは、大太鼓打ち18人、中打ち(小中学生)鉦・小太鼓各2人の計4人、歌い手6人ぐらいの構成になっています。
大太鼓打ちは、白装束で背に孔雀や山鳥の羽根と七夕紙の飾りをつけ、色物のタスキをかけ腰には色もののはぎれをさげます。矢旗の中に木で作ったナギナタをはさんでいます。そして、「サーヨイサッサ、ヨイヨイ」と鉦や太鼓のリズムに合わせて体をくねらせたり、両手をふりかざして力いっぱいに踊ります。
中打ちの少年4人は、白装束で特に美しく飾った花笠(造花で飾った花カンムリ)をかぶり、白足袋にゾウリばき、腰には色とりどりのはぎれを下げます。鉦と小太鼓の合奏は、リズムカルで勇壮であり踊りの誘導をします。
歌い手は、縦縞模様の着物をつけスゲ笠をかぶる。スゲ笠は、細長く切った色物の布ぎれを下げ、顔がかくれるようにする。そして、白足袋にゾウリばきです。
小湊中央太鼓踊りは、長い伝統をもっていますが、戦時中途絶え 昭和26年から古い用具で復活し昭和60年になって青年団や消防団から「郷土の芸能で村おこしを」との声が高まり、新しい衣装や用具をそろえて26年ぶりに復活されました。
小園会長のお話では、中打ちを受け持つ小中学生の減少が気になるそうです。
 今回、お話をして頂きました小園会長には、本当にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします。
   (写真は、JA南さつま農業祭と保存会の皆さんです。)

扇寿堂
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