西俣八丁杵踊り (鹿児島市郡山町)
鹿児島市郡山町西俣下集落に伝わります「西俣八丁杵踊り」(市無形民俗文化財)について、保存会の上野利男様にお聞きすることができました。
「西俣八丁杵踊り」は、維新前までは今の西俣公民館近くにありました諏訪神社の旧暦7月26日の祭礼に奉納されていたらしい。今は9月23日に花尾神社に奉納されています。
踊りは太鼓三味線に合わせて、道行(道楽)・出羽(出端)・庭踏み・八丁杵の四つの踊りから構成されています。そして、全員仮面をつけて踊ります。
まず、中に2人だけ赤衣を着て背に大きな鯛の模型と、ひょうたん模型をからった(背負った)サッキョン(先山か)というのがいます。
道行は、一列縦隊でトントンと片足で二度踏みしながら両手を同時に右左・左右と大振りしながら飛んでいきます。次いで左手をあげ右手の扇子をパッパッと上に振ります。
出羽は、左手を後ろ腰にやり頭を垂れて翁の格好をし、扇子を左に振る所作もあります。
庭踏みは、両手を同時に上にパッと振り扇子を輪の中心へ向けて「めでたい・めでたい」と囃します。
それから、いよいよ八丁杵です。踊り手は鯛を背負った者と、ひょうたんをさげた者の二人が全員を横三列に四つん這いで座を取らせます。そして、唄に合わせて右掌で右胸を一つ打ち左掌で同じ右胸を一つ打ち、右肘を左こぶしで受けます。そして右掌で左こぶしを打つと同時に両手とも開いて左前へパッと振る。以上の動作をすばやく行います。これを左右繰り返して「八丁杵」といいます。杵つきの所作を器用に表現します。杵や臼は、昔から農村には欠かせない生活用具でした。唄が変わって、踊り手は中腰でオンガメ(かまきり)の仕草を面白おかしく演じます。最後に、鯛とひょうたんの若者(サッキョン)が、ところ狭しと勇壮に飛び跳ねながら退場して幕となります。(参考:南日本新聞(芸能百態)・文化こおりやま)
今回、色々お話をお伺いしました上野さんには、本当にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします。
(写真は、「西俣八丁杵踊り」と花尾神社です)
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