薩摩川内市高城(たき)町集落に伝わります「高城町虚無僧踊り」について、保存会会長の白男川 守様にお聞きすることができました。
 「高城町虚無僧踊り」は天保年間(1830年頃)、群王山信興寺(現 薩摩川内市立高来小学校敷地に明治2年まで在った)に、上方(京都方面)から巡歴してきた行脚僧が滞在中、高城郷妹背の子女に教え踊らせたものと伝えられています。
 高城郷民は、応永29年(1422年)島津軍に敗れた高城の領主 高城備前守重雄の遺徳を偲び慶長11年(1606年)、高城三社権現(現 高城神社)を創建し高城郷の鎮守の杜として祭典し舞楽を奉納しました。(前回、このブログで書きました「高城町太鼓踊り」はこのときが起源と云われています) 天保年代になって虚無僧踊りも高城神社に奉納されるようになりました。
 「高城町虚無僧踊り」は、深網笠に尺八を持った黒装束の男役の虚無僧と、紫頭巾に白装束の女役の虚無僧が、それぞれ10人くらいが一組となって美しいリズムにあわせて「きちっ」「きちっ」と節度をつけて踊ります。見るからに上品で華やかさよりも禅の世界に通ずる「わび」の境地を思わせる踊りであります。
 創始以来170年になりますが、第二次世界大戦の頃から活動が一時中止されていました。昭和23年復活の話し合いが起こり、古老達の口三味線や拍子木などで復活させ、地域の子女達が踊りを引き継ぎ、昭和59年「高城町虚無僧踊り」保存会が設立されて今日まで毎年高城神社大祭に奉納されています。以前は9月10日に行われていましたが、現在は9月第2日曜日に行われています。
 踊り子も、以前は壮年を中心に踊っていましたが、高齢化と若年層の減少のため、現在は中学生・高校生(女子)の参加を得て伝統は引き継がれています。
 今回は資料も頂きました白男川会長(高城町太鼓踊りの会長も兼務)には、本当にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします。
 (写真は「高城町虚無僧踊り」と高城神社です)
                      

扇寿堂
                     senjudo

 
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