漆のバラ踊り (鹿児島県姶良郡蒲生町)
姶良郡蒲生町漆集落に伝わります「漆のバラ踊り」(町指定無形文化財)について漆(うるし)小学校教頭の上野智一先生にお聞きすることができました。
この踊りは、今から400年ぐらい前に島津義弘が豊臣秀吉の命を受け、朝鮮の役に参加したさい、明の大軍を破り薩摩隼人の名を高めて凱旋した(1598年)時、その凱旋祝いとして踊らせたのが始まりといわれています。それが、漆の武士の子弟に代々伝わったもので男子の踊りとされています。この踊りは、竹バラに紙を張ったバラデコと鉦を打ち鳴らして踊ります。そして「三ツべ・唐太鼓・七ツべ・門掛り・ビナマキ・ビナほどき・歌・引き」の八ッの形からなり、これは他の日本軍が攻め落とせなかった城を島津の軍が「ビナマキ」(渦巻き)戦法で攻め落とした様子を、バラ踊りの形で後世に伝えたものであると云われています。
「バラ踊り」は一時中断していましたが昭和44年、町制40周年、明治100年の記念行事のとき有志の方々で復活されました。昭和49年には、蒲生町の無形文化財に指定されています。
青壮年層からなる保存会によって伝承されていますが、後継者不足のため現在は漆小学校の生徒が中心となって踊っているそうです。
先生のお話では、漆小学校では、この漆のバラ踊りを受け継ぎ自分達の踊りと自覚をもって継承していく中で、自分の郷土の良さを認識させ、郷土に対する愛着心と誇りを持たせるねらいにしているそうです。
今回は、お忙しいところお話していただきました上野先生には本当にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします。
扇寿堂
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