日送り踊り (鹿児島県南九州市川辺町)
南九州市川辺町(旧川辺郡川辺町)永田地区に伝わります「日送り踊り」(町指定無形文化財)について、保存会会長の西 次男様にお聞きすることができました。
この「日送り踊り」は、毎年九玉神社に奉納して踊ります。それから、農業祭・各イベント等に参加して踊ります。
この「日送り踊り」は、文政年間から踊り継がれているもので、県内でもあまり類を見ない踊りです。この踊りは、昔 島津藩の交易船が琉球の八重山群島に行き、交易を終えて久米島へ向かう途中暴風雨に遭い遭難して乗組員が唐の国へ流され唐の人々に助けられたのち帰路を目指して唐の国の各地を巡り、交流を図るなかで歌や踊りが行われ、この時の踊りを知らず知らずと覚えてやがて薩摩に帰ったのち踊られたのが、この「日送り踊り」です。名前の由来は、面白くおかしく踊られたことから「ヒョックイ」踊り、つまりひょうきんな踊りとも、または唐の国から帰るまでの日を送ったことから、「日送り踊り」とも言い伝えられています。
踊りは、天狗(道進)を先頭に、手踊り・太鼓叩き(手踊りが小太鼓を背負いその太鼓をたたく)・オンガメ(かまきり)・魚すくい・座頭・胡弓ひき・ひょうたん廻し・薙刀・シビマワシ・権兵衛(種蒔)が面をかぶり笛と拍子木の音に合わせて入場し円を描きながら踊り始めます。ひと通り踊りが終わると今度は種蒔が踊りを踊ります。ここが一番メインになるところで一番難しいと言われています。この種蒔が終わり、再度全員でひと踊りして踊りながら退場していき日送り踊りは終了します。
本年(平成19年)は、10月21日の「伝承・郷土芸能キャンペーン」にも出場しました。最近は、若者が少なく踊り手も少なくなっていますが、地区や保存会が中心になって踊り手に呼びかけて、毎年8月に練習を3日ほど行うようにしています。
今回、西さんには いろいろお話をしていただきまして本当にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします。
(写真は日送り踊りと保存会の皆さん、そして九玉神社です)
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